レビュー

漫画「ザ・クレーター」 感想

そんなわけで。手塚治虫「ザ・クレーター」の感想。今回読んだのは、秋田書店の手塚治虫傑作選集1・2。 この作品は、1969年から70年にかけて少年チャンピオンで連載された連作短編シリーズだ。詳しい解説はザ・クレーター - Wikipediaを参照。 「空気の底」…

戯曲・小説「シラノ・ド・ベルジュラック」感想

序 そんなわけで。「素晴らしき日々〜不連続存在〜」というゲームで引用され、作品内で重要な役割を果たすロスタン作の戯曲「シラノ・ド・ベルジュラック」についての感想。 前述のゲームから興味を持ち、今回読んだのは、渡辺守章訳「シラノ・ド・ベルジュ…

新書「プライド」 感想

そんなわけで。安食正夫著、中公新書「プライド 現代人の精神医学」を読了したので、軽く感想を書いておく。 人間が持つプライドは、精神医学、精神保健において薬にも毒にもなるんじゃないかと著者は着眼した。そこで、プライドの効用や社会における機能な…

漫画「U-31」 感想

そんなわけで。原作/綱本将也・漫画/吉原基貴のサッカー漫画「U-31」の感想。 僕が読んだのは完全版で、漫画本編だけでなく単行本未収録の小説や特別編が挿入されている。まさに完全版と呼ぶにふさわしい内容だった。 絵はリアルよりで、原作者曰く「暑苦し…

小説「武士道エイティーン」 感想

序 そんなわけで。誉田哲也「武士道エイティーン」の感想。ネタバレはほぼなし。今回は簡潔にいこう。 以下の著者インタビューを読んでおくと理解が深まるかもしれない。 武士道女子高生の最後の夏 誉田哲也 文藝春秋|雑誌|本の話|PICK UP 武士道エイティ…

ラノベ「キノの旅」 感想

序 そんなわけで。先日、発刊から10年経った作品、時雨沢恵一の「キノの旅―The beautiful world 」を読んだ。キノの旅―The beautiful world (電撃文庫 (0461))作者: 時雨沢恵一,黒星紅白出版社/メーカー: メディアワークス発売日: 2000/07メディア: 文庫購入…

漫画「バジリスク 甲賀忍法帖」 感想

そんなわけで。全5巻なんで、二日でざっと読めてしまった「バジリスク 甲賀忍法帖」の感想。ネタバレ無し。 いわゆる忍術合戦、能力バトルもの。山田風太郎の原作小説は、その手のバトルものの始祖と言えるようだ。 徳川家のお家事情の影響で、甲賀と伊賀が…

漫画「七色いんこ」 感想

そんなわけで。手塚治虫「七色いんこ」の感想。 この作品の形式を最も分かりやすく説明すれば、「ブラックジャックみたいなもの」である。1話完結で、専門職の男が活躍するというところが共通している。ただし、本作の主人公七色いんこは、医者ではなく役者…

漫画「空気の底」 感想

そんなわけで。手塚治虫傑作選集、「空気の底」の感想。 これはサスペンス・ホラー系の短編集である。人が死ぬ話ばっかりなので、気が滅入らないと言えば嘘になる。 しかし、その恐怖の描写は一見の価値有り。技巧的なプロットの妙を見せたいだけちゃうんか…

ラノベ「ブギーポップは笑わない」 感想

そんなわけで。 2010年になってようやく「ブギーポップは笑わない」を手に取る機会があったので読んでみた。ラノベ読むのが久しかったのでちょいと難儀したけど、すぐ慣れた。 どうしようもない 読後感は「どうしようもない」。なんなんだろうね、この「どう…

アニメ「Angel Beats!」第2話 感想メモ

そんなわけで。Angel Beats!の第2話の感想。リスト形式 観てて思ったこと OP「My Soul, Your Beats!」 良かった ピアノを弾いてるのは天使 ED「Brave Song」 サビの歌詞に"〜んだ(「〜のだ」の音便)"が二回使われてるところに、決意を感じる わざわざ決意…

新書「論文の書き方」 レビュー

そんなわけで。清水幾太郎著、「論文の書き方」レビュー始めるよ。 序 テーマ 本書のテーマを一言で言えば、「ちょっとお堅い真面目な文章」を書く時に気をつけることは何だろう、ということである。 本書は1959年に岩波新書から出版された。著者の清水幾太…

アニメ「Angel Beats!」第1話 感想

そんなわけで。 詰め込みすぎと言えば詰め込みすぎだけど、あっという間に終わった印象なので、引き込まれたということだろうなこれは。 登場人物の掘り下げは次回以降ということだと思うんだけど、「掘り下げがいがある」感じはした。 ライブのシーンはよく…

小説「武士道シックスティーン」 感想

序 そんなわけで。誉田哲也「武士道シックスティーン」の感想。セブンティーンの感想を先に書いたのはシックスティーンが手元に無かったからで、今日図書館で再度借りてきたというわけ。 僕は剣道経験者だけど、現代剣道小説は読んだことがなかった。書店で…

小説「武士道セブンティーン」 感想

序 そんなわけで。誉田哲也「武士道セブンティーン」の感想。 現代剣道小説として、前作「武士道シックスティーン」は好感の持てる内容だった。しかし同時にやりきった感もあり、次作では何について書くのか、そのテーマに興味を持っていた。誉田さんはイン…

アニメ「トップをねらえ!」 感想

序 そんなわけで。先月から「トップをねらえ!」がYoutube等で無料配信されている。名前は知りつつも一度も観たことがなかったので、この機会に全話鑑賞した。トップをねらえ! Vol.1 [DVD]岡田斗司夫 バンダイビジュアル 2000-11-25売り上げランキング : 271…

「風の歌を聴け」(村上春樹)読了

ひとしきりあって。 これで二度目の読了だ。前に読んだのは2006年の4月8日で、その時僕は19才だった。読んだ内容はほとんど忘れてしまっていた。 村上春樹の小説を読んだ後はいつも、自分の中に何かが残ったようで、実は何も残ってないんじゃないかという不…

ソウルイーター アニメ第11話 感想

はい、そんなわけで。 ソウルイーター第11話 「椿の花〜悲しみを越えた先にあるもの?〜」が放映されました。前回に引き続き、妖刀マサムネに対して椿とブラック☆スターが立ち向かう、熱い話でした。一言で言えば、神回でしたね。 精神世界の中で、椿とマサ…

ソウルイーター アニメ第10話 感想

そんなわけで。 ソウルイーター第10話、「妖刀マサムネ〜破れ魂憑依、雨に詠う心?〜」が放映されました。今回は、椿がブラック☆スターと共に妖刀マサムネと戦うという話でした。 冒頭の椿のモノローグが悲しげでしたね。「私は椿、香りのない花」というつぶ…

ソウルイーター アニメ第7話 感想

はい、そんなわけで。 ソウルイーター第7話、黒血ドバドバで放映されました。今回はクロナとメデューサが初登場する話でした。イタリアを舞台にマカとクロナが戦いますが、魂の乱獲を行いかなりの強敵となっているクロナに押されます。ついにはマカをかばっ…

ソウルイーター アニメ第6話 感想

はい、そんなわけで。 ソウルイーター第6話も無事放映されました。今回はキッドが死武専に登校する話でした。原作以上にシンメトリーをことあるごとに強調するので、キッドの病的に神経質な面がよく伝わります。ブラック☆スターとソウルに対して決闘を始める…

ソウルイーター アニメ第5話 感想

はい、そんなわけで。 ソウルイーター第5話もいつも通り面白かったですね。感想も書きがいがあるというものです。 今回はシュタイン博士が中心になっていました。声がすごく良かったですね。ふざけた感じからSっ気全開な感じまで、博士の魅力が原作通りに伝…

十二人の怒れる男 感想

はい、そんなわけで。 裁判員制度も認知だけは広くされてきた今日この頃ですが、まだまだ納得いく施行ができるとは言えなさそうです。そこで、民間人が裁判に関わる上での問題を、陪審員制度が昔からあるアメリカでの場合を参考にして考えてみてはどうでしょ…

ソウルイーター アニメ第4話 感想

はい、そんなわけで。 「鬼神の卵と化した魂」って長ったらしい名前はそろそろ聞き飽きてきました。ソウルイーター、アニメ第4話感想です。 全体的に見て、1巻の内容なのに絵柄は今の大久保さんに近いのがいいですね。やっぱり今の絵の方が僕は好きですしね…

ソウルイーター アニメ第3話 感想

そんなわけで。ソウルイーター第3話感想です。つーか明日第4話やるんですよね。遅れてしまったなあ。今日はちょっと短めでいきましょうか。 第3話はプロローグ03ということで、キッドがメインの話でした。ほぼ原作通りでしたね。例によってアニメ用の尺に…

ソウルイーター アニメ第2話 感想

はい、そんなわけで。 アニメ版ソウルイーター、今回はプロローグ2という事で、ブラック☆スターと椿の話でした。原作に忠実でありながら、アニメの尺に合わせた適度な改変がしてありましたね。 死武専で物件(任務)を取る場面がありましたが、あれで初見の…

ソウルイーター第48話 感想

そんなわけで。 少年ガンガン5月号、ソウルイーター第48話「ババ・ヤガーの城攻略作戦(その3)」の感想です。戦況整理 今回はアラクネの元にたどり着くため、魔道具"錠前"を破壊しなければならない、というメデューサの発言を受け、隊を分断することになり…

ソウルイーター第11巻感想

ひとしきりあって。ソウルイーター第11巻、感想に行ってみたいと思います。今回のキャッチフレーズは「その目に宿る、確かな"魂"の輝き。」です。個人的には「確かな」が無い方が語呂がいいと思いました。表紙のミフネがかっこいいですね。ジーンズの色落ち…

「秒速5センチメートル」感想、詩と時間と人生について

ひとしきりあって。この記事では「秒速5センチメートル」を観て連想したこと、感想を中心に書いていきます。 作品の内容自体については、項を改めて書きたいと思います。僕がTSUTAYAでレンタルしたこの作品を観たのは、ほんの数日前、2月末の深夜でした。…

鉛筆に関連した書籍

ひとしきりあって。文具の中でも、僕がかなり長い間付き合ってきたのが鉛筆です。今でこそ使用頻度は下がっていますが、小学校時代から大学2回生あたりまではずっと鉛筆を使っていました。鉛筆についての書籍を図書館で探したところ、以下の三冊が見つかった…