ソウルイーター アニメ第11話 感想

 はい、そんなわけで。

 ソウルイーター第11話 「椿の花〜悲しみを越えた先にあるもの?〜」が放映されました。前回に引き続き、妖刀マサムネに対して椿とブラック☆スターが立ち向かう、熱い話でした。一言で言えば、神回でしたね。

 精神世界の中で、椿とマサムネはお互いの過去を振り返りながら戦いを続けていきます。

 椿とマサムネの家系中務家は、先代の能力が受け継がれる特性があります。手裏剣、けむり玉、変わり身、忍者刀という多変型武器の能力は、本来マサムネが持つはずでした。しかし実際には椿が鎖鎌に加えて先代の能力を引き継ぎ、マサムネには日本刀しか備わらなかったわけですね。それが原因で幼少時から椿は兄に気を遣い、自分の本心も言えないような微妙な関係になってしまいました。そしてそこからマサムネは鬼神への道を歩み始めた、という背景がありました。

 しかし、死神様が言うように、椿の強さは多変型高性能武器、というところには無いんですね。彼女の強さは何よりもその魂の強さだからです。そして椿が敗北し、魂を取られようとした時、彼女は幼かった時のことをもう一度振り返ります。そして、自分を肯定してくれたブラック☆スターを思い出し、兄を止めたいという自分の本心、本気を取り戻して再びマサムネに挑むわけですね。

 原作ではブラック☆スターは出てこなかったので、いきなり現れた時は驚きました。しかし考えてみると、一人ではなくブラック☆スターと「共に戦う」というところが今回のテーマであるように思います。今回の最後の台詞も「二人で」となっていますからね。そうするとブラック☆スターがここで登場するのも自然だと感じました。

 椿がマサムネの攻撃をいなして突き進むところはものすごく高いレベルの作画でしたね。ポンズスタッフの本気を感じました。原作のザクザク刺し合う戦いも熱かったですけど、こういう動きのあるものもやっぱりいいなあ、と思いました。マサムネが消える直前にも、精神世界に椿の花びらが流れていく描写があり、それも美しかったですね。風に乗って飛んでいる赤い花弁を見ていると、アニメ化して本当に良かったと思えました。

 名塚さんの演技も素晴らしいですね。気持ちの明暗や喜怒哀楽がうまく伝わってくるため、椿の表情がより魅力的に写りました。

 ブラック☆スターについて触れてなかったので、軽く書いておきます。アニメ第2話で少しだけ描写されていたブラック☆スターと椿の出会いのシーンが回想されていました。ここは原作通りでしたね。

 あとは、星族と針の村の因縁的なものはスルーするのがブラック☆スタークオリティでした。原作でも、この部分で大久保さんのストーリーを作る力に注目しましたね。

 普通、過去に自分の一族が殺戮を行った村とかだと、ぐだぐだと主人公が気にして、贖罪するのがお約束ではないでしょうか。けれども、ブラック☆スターはそんなこといつまでも気にしてんなよ、俺は前に進むぜ、と言ってのけるわけです。アニメではさらに、見えない敵にびびってダセェとまで言っちゃってます。村の少年リョクもブラック☆スターの言葉にハッとしているようでした。こういうところがブラック☆スターの魅力かな、と思います。

 最初に得た魂は椿の大切な兄のものでありましたが、それはむしろ二人にとって良いことだったのかもしれません。椿は兄の力を受け継ぎ、モード妖刀が加わりました。ブラック☆スターにはまだ扱いきれないけれど、この二人の成長をアニメでも見続けたいなーと思いました。

 ソウルイーター アニメ第11話、魂から伝わった椿の香りが、詩になるもの。

ソウルイーター (3) (ガンガンコミックス (0609))

ソウルイーター (3) (ガンガンコミックス (0609))