ソウルイーター アニメ第10話 感想

 そんなわけで。

 ソウルイーター第10話、「妖刀マサムネ〜破れ魂憑依、雨に詠う心?〜」が放映されました。今回は、椿がブラック☆スターと共に妖刀マサムネと戦うという話でした。

 冒頭の椿のモノローグが悲しげでしたね。「私は椿、香りのない花」というつぶやきは、次回でも重要なフレーズとして出てくるでしょう。原作では後編の回想での台詞でしたが、アニメ化にあたっての演出で、今回の話に差す暗い影を示していました。

 原作を読んできた者としては、やはりアニメとの相違点が気になるというものです。今回も様々な点が変更されたり追加されたりしていました。

 針の村でのおっさん達は原作通りで面白かったです。リョクの親が星族に殺されたという設定はアニメで追加されたものですね。星族そのものについても、ホワイト☆スターっぽいひとが人間の魂に手を出している描写があったりして、やはりアニメの方の悪人の定義に整合性を持たせていました。

 妖刀マサムネも鬼神になりかけている者の一人なわけですが、魂に憑依して最後にその魂を喰う、というところが他者との違いでしょうか。登場シーンに「否。雨でぐしゃぐしゃだ…」が無かったのが若干残念でした。

 マサムネが恐怖に駆られたリョクに取り憑いた後の戦闘は、いつも通りよく動いてました。ブラック☆スターと椿を相手にしながら、傀儡影と自身の刀を使って激しく立ち回るマサムネは、かなり強い部類ですね。ブラック☆スターが俺時代を撃ち込むまで、ギャグも入れつつテンポ良く進んだバトルでした。

 最後に椿とマサムネが対峙する場面で、マサムネが椿の兄であることがわかります。これは漫画だと冒頭で椿が言ってるんですね。アニメでは今回ラストに判明させることで、それまでの展開をダレさせない効果があるのでしょう。これも良い構成でした。

 原作では、マサムネの魂世界はスクリーントーンが使われず、モノクロの簡素な筆致で描かれていたのが独特な雰囲気を出していました。アニメでは、紫調のおどろおどろしい雰囲気の空間になっていましたね。やはりアニメではモノクロにすると手抜きっぽく見えてしまうんでしょうか。魂世界は来週でも尺の多くを占めると思うので、そこでの演出上からあのような色彩になったのかもしれません。

 二人が互いに武器を構えて「覚悟」というところで引きとなります。これは原作でも一二を争うくらいのかっこいい引きですね。アニメでも完全に再現してくれていて、二人の声が重なって暗転するところで、鳥肌が立ちました。やっぱり素晴らしい引きですよ、これは。来週も非常に楽しみです。

 ソウルイーター第10話、兄と妹、職人と武器、それぞれの葛藤が、詩になるもの。

ソウルイーター (3) (ガンガンコミックス (0609))

ソウルイーター (3) (ガンガンコミックス (0609))