そんなわけで。全5巻なんで、二日でざっと読めてしまった「バジリスク 甲賀忍法帖」の感想。ネタバレ無し。
いわゆる忍術合戦、能力バトルもの。山田風太郎の原作小説は、その手のバトルものの始祖と言えるようだ。
徳川家のお家事情の影響で、甲賀と伊賀がそれぞれ10人ずつ出し合い最後の1人になるまで死闘を繰り広げる、というお話。
一人また一人と双方の陣営から消えていく、緊張感のある戦い。その中で描かれる、忍びの者達の愛憎模様が印象に残る。
回想シーンによるキャラの掘り下げをほぼ使っていないのに、登場する忍者がどれも魅力的。これは、全員にうまく見せ場が用意されていることが要因かな。
あと、一部のキャラについては、その忍術(能力)が人格と深く結びついているということが言える。前後関係は人それぞれだったり不明だったりするけど、発現した能力とその忍者の生き方が密接に関係しているのは確かだろう。*1
一つ考えるべきは、最後の対決において忍術はどのような効果を現したのか、あるいは現さなかったのか、ということ。ここの解釈次第でこの漫画から受ける印象が全く違うものになるだろうし。
総括すると、ストーリーは(原作有りの強みで)良し、キャラも良し、絵も自分好みで良作だった。
- 作者: せがわまさき,山田風太郎
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