自己責任で社会が豊かになるか?(3)

 そんなわけで。

技術空洞を見て、いくつか考えを改めたことがある。
1)キャッシュフローを見て経営をするということ。
2)情熱の生かし方ということ。
インターネット学部:技術空洞

 ソニーの技術空洞化は日本で起こっていることの一例に過ぎない。
 技術的・文化的にレベルが高い国は、それが低い国から決して侵略されない。と僕は思ってたんだけど、どうもこの国は技術や文化をこの国の人達から乖離させることで、わざわざ他国に「侵略してくださーい」とふれこんでいるようだ。

 けれどもね、技術や文化がその国の人間に備わっているからこそ、他国は尊敬もすればお金も出してくれるわけ。どうぞどうぞ、技術売ります文化売りますってどんどん他国に流出させる一方、技術や文化を持つ人間を育てることを忘れていたら、結局手元に何も残らない。

 それでね、例えばだよ。もしこのまま他国の人達の技術が上がって自国の人達を追い越したとき、この国はお金出してその技術を買って自国の人達に教えてあげようとするだろうか。多分しないと思うんだよね。「技術だけ」を買うんだろうな、きっと。その技術を生んだ他国の人間や、技術を使う自国の人間に敬意を払うってことをしないんだ、この国は。

 結局、自己責任なんていう言葉だけ与えて何も援助をしなければ、技術や文化を持った人間は育たない。そんな人間が育たなければ、遅かれ早かれこの国は滅ぶ。それは嫌だから、まずは自分が何らかの技術や文化を持った人間に、社会の一員に、なろう。押しつけられる自己責任ではなく、主体的な選択として。