僕の美少女ゲーム遍歴 2005-2010

そんなわけで。本日、以下のつぶやきを拝見した。

確かに、僕の美少女ゲーム遍歴は自分で振り返ってもうねうねとした道を辿っていて捉えにくい。いい機会だからまとめておこうと思う。

2005まで

友人から鍵と型月(要するに「AIR」と「Fate/stay night」)の話は聞かされていたものの、いわゆるシナリオ重視エロゲの何が面白いのか分からなかったのでやってみたいとは思わなかった。
AIR」は「泣ける」とか言われても特にゲームで泣きたい気分でもなかったので貸してもらうこともせず。
Fate」のOPムービーを見せられたこともあったけど、当時は「無理してアニメーションムービーにしてるけど所詮はサブカル、チープさは隠し切れんなー」とか思っていた。多分、プレイ画面を見せてくれた方がまだ惹かれた可能性は高いと思う。余談だが、「Fate」のパッケージ画像は公式サイトトップの剣の丘のビジュアルにしてくれたらよかった。あのパッケージからは名作オーラが感じ取れない。*1

2006

そういう感じで当初シナリオゲーには目が向かなかったのだが、エロいことには興味があり、アニメ等で二次元への親和性も持っていたから、エロゲに対して嫌悪の気持ちはなかった。むしろ一定の興味があったと言える。
よって、もともと姉属性持ちだった僕が2ちゃんねるのスレッドをきっかけとして「綺麗なお姉さんとキャッキャウフフできるゲーム」があると知り、Google検索を経て「姉汁」と「姉しよ」という二つのエロゲに辿り着くのは当然の帰結だった。
しかし、ここで重要な問題が立ち上がる。当時、実家にあるPCはMacintoshだった。僕の美少女ゲーム遍歴、お わ り。
とはならず、せこせこエロゲの公式サイトを巡ってはサンプルCGやサンプルボイスに触れ、涼子姉ぇの乳首をクリックしてリビドーを発散するという暗黒時代が幕を開けた。Flash体験版を用意してくれているメーカーが神々しく見えた頃だ。
こうして各所のサンプルボイスを聴き続けた結果、喘ぎ声やチュパ音も人によって違いがあることがわかり、好みの艶技をする声優の名前も少しは覚えるようになった。例えば、三咲里奈さんはこの時期に存在を知り、好きになっている。

2007

WindowsPCを購入し、ついに心置きなくエロゲができるようになった。無料でできる「しまいま。」でとりあえずエロゲのお約束(射精時はホワイトアウトするとかいったこと)を覚えてから、ようやく念願の「姉汁」をプレイした。以後、アトリエかぐやのBerkshireYorkshireラインを購入し続けることになる。
ニコニコ動画でフカヒレのまとめ動画を観たことをきっかけとして「つよきす」をプレイし、大いに笑う。この頃、「つよきす」のシナリオライターであるタカヒロさんはみなとそふとを興して「きみある」を出していた。
月姫」「歌月十夜」も確かこの時期にプレイしたと思う。竹箒日記 : 2003/02奈須きのこが褒めていたので「腐り姫」にも手を出し、衝撃を受ける。あのおどろおどろしさはエロゲでしかできない表現だった、ような……

2008

東方Projectにはまっていたのでエロゲへの情熱はそこまで高くなかった。
相変わらずBYラインで「プリマ☆ステラ」を買ったりしつつ、「プリンセスラバー!」をやったりもしていた。下半期は「リトバスEX」(これが初めて触れたKey作品)、「Fate/stay night」、「Fate/hollow ataraxia」という大ボリュームのゲームをやっているうちに終わった。

2009

みなとそふと「まじこい」への期待が高まり、先だって「姉しよ」をプレイする。何を血迷ったか5月頃からまじこい4ever - 真剣で私に恋しなさい! 応援部を立ち上げて発売日まで毎日更新を実行し、「ネットはバカと暇人のもの」という格言を体現する。ゲーム自体の完成度とブログで応援し続けた思い入れが相まって、「まじこい」は僕の中でのNo.1、いわゆる神ゲ―となる。
夏には「ライブ ア ライフ -天沢 裕樹のセクシャル実況ライフ!?-」で初めてエロゲのDL購入をした。
この年あたりからbbspinkに入り浸るようになった。一方で2007年に取得していたTwitterアカウントを本格的に運用し始め、東方勢に加えてエロゲ勢をフォローするようになった。
そこで月刊ERO-GAMERS 〜多人数参加型エロゲーラジオ&レビューサイト〜を知り、「まじこい」回にゲスト参加できたのは本当に幸運だった。これを機にいわゆるエロゲ批評クラスタに関心を持ち、レビューや評論を読んでブックマークする日々を送る。
秋も深まった頃にはニコ生を観るようになり、多くの生主・リスナーと出会うことで視野を広げる。
ここまででプレイした美少女ゲームは約30本。

2010

やる気勢になり、エロゲの購入・プレイペースがかなり上がった。購入基準は自分の感覚+信頼できる人の評価+2chTwitterといったWeb上の評価。
以前に比べてシナリオゲーの比率が高まり、「カタハネ」「水月」などの過去作に浸る。一方で「魔物娘との性活〜ラミアの場合」といった抜きゲーよりの作品もプレイすることは止めなかった。Webサイトを見て直感で面白そうだと思った「素晴らしき日々〜不連続存在〜」を買って大いに楽しんだところで春が終わる。この頃には自分でニコ生をやり始め、リスナーから面白いゲームを教えてもらったり、逆になけなしの知識を教えていたりした。
夏は「ナルキッソス」「Kanon」「AIR」といった旧作をやってレビューを書いたりしていた。明らかにエロゲ批評クラスタの影響である。その後は「恋愛ゲームシナリオライタ論集2 +10人10説」にタカヒロ論を寄稿するため、タカヒロゲーをおさらいしているうちに秋が終わる。
冬は再び「彼女×彼女×彼女」「姉です。」などの抜きゲーで股間を温め、アニメ化で盛り上がっていた「ヨスガノソラ」「ハルカナソラ」をプレイして一年を終える。
ここまででプレイした美少女ゲームは約50本。

以上のプレイ遍歴をまとめると、

  1. 原点は抜きゲー
  2. 次に鍵+型月
  3. 行き着いたのがタカヒロゲー
    • 以降自分の軸足はここになる
  4. とにかく面白い作品を節操なく求め続ける

という感じになる。
タカヒロゲーは僕の原点である抜きゲーからの延長線上にある。「まじこい」が美少女ゲームにおける僕のスタンダードであり、これはしばらく変わりそうにない。女の子はかわいくて抜けるだけのエロさもありつつ、シナリオもしっかりしていてテキストは読んでいて楽しく、プレイしていて元気が出るようなゲームがフルプライス帯で充実してくれると嬉しい。
2010年以降は見聞を深めるため(どこの留学生だ)、できるだけいろんなメーカーのゲームをやるようにしている。*2ジャンルもバラバラで、例えば2011年1月から3月までにプレイしたゲームは「魔物娘たちとの楽園〜スライム&スキュラ」→「大番長」→「過去に戻りパイ」→「はにはに」「のまひゅ。」→「南国小麦色」→「スマガ」といった並びになっている。
種々雑多なプレイ傾向は、集中力とも関連している。僕は何事に対しても興味や関心を抱けるのだが、その裏返しとして飽き性も備えているため、あまり同種・同ジャンルのゲームを続けているとだれてしまう。重厚なシナリオゲー5連続とか無理なタイプ。だから、年間通して大ボリュームのADVを何本もやる時は、間に軽いノリでできる抜きゲーやプレイ感覚がADVとは異なるSLGなどを挟んで飽きが来ることを防いでいる。それでもたまにはエロゲ自体に気が乗らない日もあるので、東方幻想麻雀などの非エロゲをやったり、読書したりすることでリフレッシュしている。
「とにかく面白い作品」と言う時の面白さは「尖ってる」に近いかな。最近は批評的な意味での面白さとニアリーイコールになってきているような気もする。もちろん、「時間を忘れる」とか「めちゃくちゃ笑える」といったプリミティブな面白さも重要視している、というかそういった面白さはどうやっても無視できない。
一説にはこの業界、4・5年でユーザーが入れ替わると言われている。僕は実質5年目のユーザーだけど、今のところささやかな趣味の中では美少女ゲームを一番楽しんでいるので、これからも当分は続けていくことだろう。これまでプレイしたゲームはほぼ全てErogameScape−エロゲー批評空間に書いているので、興味がある人はどうぞ。

*1:リアルタイムでプレイできなかった言い訳ですね、わかります。

*2:その際には旧作からプレイすることが多い。僕は何についても「ルーツ」をかなり意識するので、最低限当該メーカーの過去タイトルくらいは必ず目を通す。