ニコ動批判で見かける論点のすりかえ

前回トラバしたしっぽさんの記事で言われてることのいい実例です。

で、そういうのを一まとめにして、おまえら全員違法行為をしてるんだろ!だからそんなトンチンカンな理論言って自己正当化してるに違いねぇ!恥を知れ!って言っちゃうと、全然議論が進まないんじゃないかと危惧してますよ。

漫画読もうぜ:アニメクリエータは視聴者の事を考えていますか? の続き - livedoor Blog(ブログ)
漫画読もうぜ:アニメクリエータは視聴者の事を考えていますか? - livedoor Blog(ブログ)
最初の方の記事でコメントが荒れ気味だったので横から口を挟んでみました。以下に僕が書いたコメントを再掲しておきます。

5. Posted by 風月

2007年10月27日 09:47
1視聴者からの意見については、低きに流れる〜以外はおおむね同意。楽な方が良い方では必ずしもないですから、やはりそこはユーザーとクリエイターで議論を重ねてより良い方向を探るべき。

Inosakiさんの意見全部には賛成できなくても、そういう意見が出てることにはクリエイター側も留意しなきゃいけない。

リスペクトとか盗人云々とか言ってる人は、エントリのタイトルを読み直してみたらどうですか。視聴者の事を考えていますかって聞いてるのに、「お前のような視聴者のことは考えなくていい」じゃ答えになってないし、議論にもならない。

現時点で良い代案が無くたって、議論して考えて作っていけばいい。その気もなく、出た意見を論点のすり替えで封殺するだけでは、いつまでも現状を変えられません。業界にとってはそんな人こそマイナスなのでは?

続きの記事を見る限り、Inosakiさんの論点はアニメ業界が抱える問題と読み取れます。ちゃんと現状に対する対案もいくつか出していますし、良い記事だと思います。
最初の記事に犯罪者が云々とコメントを残していった人達はやはり論点をはき違えてる。しかもそれを指摘しても「いや、これは犯罪者云々の議論」と聞く耳を持たない。ブログ主の文脈を無視して勝手に議論を別の方向へ持って行くのはおかしい。
著作権侵害うpは現行法違反っていうことは理解できても、それをアニメ業界批判に文脈無視してぶつけていいわけじゃない。
違法うp主の犯罪行為を無視するなーって声を張り上げるのは結構ですけど、なんでアニメ業界の批判をしたら犯罪者の行為から目を背けてることになるんですかね。
今回の件で言うなら、ニコニコ動画批判がまずあって、それに対する反応があって、アニメ業界にいろんな問題があることが分かって、それを解決するための議論が起こる。
違法行為を主な論点にして議論するアプローチもあるだろうし、アニメ業界の既得権益や現在の構造を変えていく方向で議論するものもある。
どこに重きを置いて論点をしぼるかは発言者の自由でしょう。アニメ業界の話全てが、違法行為のみを論点として進んでいったら気持ち悪いんですけど。
違法行為の議論も詰めて、既得権益とか他の問題の議論も詰めて、そうして全体的に物事を見ていくのが正しい議論の方向性だと信じます。
僕もアニメ等を作ってる人自身が創作の時間を割いて対応するのはナンセンスであり、創作意欲の低下にもつながると思います。
でも、著作権侵害親告罪云々を考えると、警察などに頼るより、対策機関をクリエイター側の別部署として作る方がいいとも思います。
三者に対応を任せると、せっかく最終的な判断が自分たちに委ねられているのにそれを放棄することになりますから。

ニコ動批判で見かける論点のすりかえ、それに惑わされぬ正しい議論が、詩になるもの。