ニコ動批判と2ch批判の比較

ひとしきりあって。
しっぽのブログ: アニメ業界の体制とか、発言を批判すると、違法アップロード?
痛いニュース(ノ∀`):アニメ製作者が、アニメの違法アップロード&ニワンゴに問題提起
ニコ動批判は、一昔前の2ch批判と同種のものと感じます(しっぽのブログのはてブにも書きました)。そこで、2ch批判をかわす方法でニコ動批判がかわせるかを考えて、無理そうという結論に達しました。

まず、2ch批判について。
実際には2chに書き込めば誰もが2ちゃんねらーになりうるから、2ちゃんねらーの人格なんてものは限定し難い。それなのに「2ちゃんねらー」っていう悪意を持った仮想人格を勝手に形成して、それが 2chの総意から生まれた人格であるかのように錯覚させて、叩く。
よく見かける手法ですが、ネット犯罪を起こす2ちゃんねらーA,B,Cがいるからといって、「犯罪者」というアイデンティティ2ちゃんねらーD,E,F…にも与えて当てはめるのは無理があると思うんですよね。

このかたちをニコ動批判にもあてはめると、うpという違法行為をするニコ動ユーザーがいるからといって、「犯罪者のニコ厨」という仮想人格を勝手に作って別のユーザーに当てはめている、ということになります。やはりおかしいですね。

さて、2chとニコ動の批判のされ方の共通部分を見ました。
しかし、両サイトのユーザーが批判へ反論する際の方法は違うものになるはず。

上記のような2ch批判は、有害な一部の2ちゃんねらーより、無害な2ちゃんねらーの方がいーっぱいいるもんね、というかわし方ができます。
なぜなら巨大掲示板2ちゃんねるの場合、犯罪者、善良市民という役割分担は局所的に犯罪予告スレ、うpスレ、ダウンスレなどでしか見られません。2ch全体の中で「ある者が犯罪者かそうでないか」を意識させられる場面は少ないでしょう。

しかし、ニコ動批判に同様のかわし方をするのはちょっと無理があります。
それは、2chとニコ動では、どちらの方が違法行為が目につきやすいかを考えればわかります。
どういうことかというと、サイトの全コンテンツに対する、「参加するユーザーが犯罪者か善良市民かを判断する気になるコンテンツ」の割合が問題なんです。

ニコ動はアカウント制だから、2chよりは誰もが主体的に参加していることになる。そして、うp主、コメントする人という役割分担を自主的にしていることになる(もちろんうp主もコメントする人になることがあり、その同一性は運営以外にはわかりません)。
そして、うp主がうpする動画のジャンルも2chと同じく多種多様とはいえ、やはり著作権に違反するものが「(ソースはないですがおそらく実数でも体感でも)割合的に」多い。そうすると、多くのコンテンツに対して、嫌でもうp主が犯罪者かどうかを意識してしまう場面が増えます。

以上より、サイトの全コンテンツに対する、「参加するユーザーが犯罪者か善良市民かを判断する気になるコンテンツ」の割合が多いのはニコ動の方であると言えます。つまり、ニコ動の方が2chより違法行為が目につきやすい。
これでは、違法行為をしてるうp主より無害なその他ユーザーの方がいーっぱいいるもんね、と言っても説得力が無い。実際がどうであれ、体感的に違法行為が多く行われている気がするから。

ではどうやって批判をかわし反論すればいいのか。それがわかりませんでした。たくさん合法動画をうpして違法動画の割合を下げるというのは現実的じゃありませんし。この方面からのアプローチでは批判に対して反論できないという結論に達しました。

…今まで書いた内容では、一つのサイト内である者が犯罪者か善良市民かを論じました。実際には、ニコ動で違法行為している者がニコ動批判を批判してることもあるし、しっぽさんが言うようにうp主でないユーザーがしている場合もある。ニコ動ユーザーですらないかもしれない。
僕としては、批判したら批判を返されることも当然あるだろうし、違法行為をしてる者にもそのカウンター批判をする資格があると思っています。それが議論というものでしょう。

ニコ動批判と2ch批判の比較、良質な議論から生まれる知見が、詩になるもの。