ゲーム「Treating 2U」 感想

そんなわけで。BLUE GALEのほのぼの入院生活AVG「Treating 2U」を終えた。
巷説どおり主人公ゲーだった。堤伊之助が好青年すぎて困る。外見に見合わず人当たりがとてもいいんだよね。好感をもった。
主題歌であり表題でもある「Treating2U」については、曲自体のよさもさることながら、曲が生まれる際のエピソードが胸を打つ。正確に言うと、どんなエピソードからでもこの曲が生まれるということが。
堤伊之助が将来どのような職へ就いて生きていくかは、一緒に過ごすヒロインによって数奇に変化する。音楽に関わっていくところは同じだが、ミュージシャンとして世界的に大成功したり、小さな規模でがんばってたり、裏方に近い仕事をしていたりといったバリエーションがある。
各エンディングの一枚絵を見ると、服装はもちろん、伊之助の髪型までもが全て違っている。寄り添った女の子がそれぞれ伊之助の身に変化を与えていることがビジュアルからも窺えるようになっているわけだ。
かように様々な未来へ踏み出していく伊之助なんだけれど、その未来の多様性と対照的に唯一つ変わらないことがある。それは、本編でどんなヒロインを選ぶ運びになっても、彼が極点で作り歌う歌は「Treating2U」ただ一つであるということだ。
伊之助が大切な人のことを想って歌を作ろうとするとき、想い人が誰であっても、自分の心の中から必ず一つの曲を導き出す。いつだって「Treating2U」へと至る。そのことに、僕は感じ入るものがあった。
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杏菜「・・・きっと、幸せだったん、だよね・・・でなきゃ、歌えない・・・歌だもの・・・」
(伊之助END)

彼は"幸福を武器として闘う者"*1だったのだな、と思う。ならば、"斃れてもなお"。
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郁乃が好き。
Treating 2U

*1:三木清「人生論ノート」