ひとしきりあって。
昔、辞書のコラムで読んだ話。
- 日本語では学校で授業を「受ける」という。
- 授業という漢字自体に授かるという意味がある。
- これは上から落ちてくるものを待つような受け身の姿勢である。
- 日本人の学習に対する受け身な態度を表しているといえる。
- 対して、英語では授業を「take」する、という。取る、ということである。
- 欧米人の学習に対する積極的な姿勢が言語から窺える。
っていうことだったんだけど、これは間違いなんじゃないかと思うんですよ。
というのは、デューイの「学校と社会」を読む講義があって、
そこには、乱暴に言えば、19世紀のフランスの学校教育も、日本と同じように上から下への詰め込み型であったと書いてあるんですよね。
もちろん英語圏とフランスでは教育事情も違うでしょうが、西洋でも教育の詰め込みが19世紀から問題になっていたのは事実なわけです。
なあんだ、辞書のコラムも案外いい加減なもんだなあ。というのが率直な感想。
授業を「受ける」か「取る」か、言葉から見える教育観が、詩になるもの。