そんなわけで!
前回に引き続き、劇場版Ζガンダム第二部恋人たちのレビューを始めたいと思います。
アムロ
第一部星を継ぐ者でアムロと合流したカミーユとクワトロ(シャア)。アムロとシャアの会話に二人のただならぬ因縁が感じられますね。
二人の関係を決定的なものにしたララァの死。それを一瞬だけ思い出させるこのやりとりが一番印象的でした。
さて、第一部では七年を無為に過ごしたためにヘタレ化していたアムロでしたが、この第二部では一年戦争での伝説のパイロットぶりを発揮しています。
ブラン少佐の操縦するアッシマーも、アムロのリックディアスが胴体を斬って爆発。他のモビルスーツを倒す手際もすばらしく、カミーユに「ランドセルだけをやるのか」と驚嘆されています。
ベルトーチカという恋人もできて、まさに燃え上がーれー燃え上がーれー状態のアムロ。僕たちがあこがれたアムロが情熱を取り戻したんだ!でも宇宙に上がるのは怖い。俺はそんなアムロが好きです。そんな簡単に人間が変われるわけないですからね。
……人は変わっていくものだと、ララァは言ったはずなのにな……
恋人たち
第二部では、サブタイトルの通りに多くの恋人たちが登場します。
アムロとベルトーチカ。カミーユとフォウ。ジェリドとマウアー。カツとサラ。他にもクワトロとレコアやヘンケンとエマなど、様々な人の思惑が交錯します。
カミーユ/フォウ
中でも第二部の中核にあるのが、カミーユとフォウ・ムラサメの恋物語です。強化人間としてサイコ・ガンダムのパイロットになったフォウ。本作では声優の問題がいろいろあったようですが、本当に綺麗な声でしたよ。フォウの奔放さ、不安定さ、そこからくる美しさを上手く表現できていたと思います。
「思い出なんか!」
この台詞が特に心に残りました。外見でいうと、唇(口紅?)の色は不健康だし、今で言う萌えとは違いますが、それでも多くのファンに愛されている理由がわかります。
そんなフォウとも悲しい別れを告げることになるカミーユ。やっと見つけた恋人だったのに。カミーユはフォウの力で再び宇宙に上がる。
歴代主人公機の中でもっともかっこいいと呼び声高いΖガンダムに乗り込みます。
ジェリド/マウアー
次にジェリドとマウアーに目を向けます。基本的に姐さんタイプの女性と相性がいいジェリド。ライラやカクリコンの死も乗り越えて、マウアーさんと組んで前向きに生きているようです。ガブスレイに乗り込みΖと戦うジェリドとマウアー。マウアーはΖの攻撃からジェリドをかばい、戦死してしまいます。
「守ってみせるって言ったろ?」
惚れた男を守って散っていく、最期の言葉がマウアーさんの健気さを表しています。また貴重なお姉さんが一人失われた… そして幸か不幸かまた一人生き残ったジェリド。傷心の彼が報われる日は…まあ来ないんですけれども。
カツ/サラ
最後に注目する恋人たちは、カツとサラです。
先ほどフォウの声にふれましたが、このサラの声も非常に綺麗なんですよ。十代の女性が持つ一途さ、そして残酷さ。これぞ少女、といった感じですね。
富野監督がガンダムでよく描く関係として、少年の心を理解してくれない少女の残酷さ、というのがあると思うんですよ。
アムロとララァ、カミーユとフォウ、ハサウェイとクェスなど、少年の思うとおりにはならない、少女の不自由さに今回も胸が詰まりました。
もうね、だまされているカツが不憫で仕方ない。Ζの中ではかなりガキっぽいキャラであり、こいつに苛つくこともしばしばですが、サラにおだてられて調子に乗ってるカツが、小学生か中学生の頃の男の子を見ているようでたまらないですね。
そして騙されていたことに気付いて深く傷つくカツ。しかし、逆にこういう「恋人たち」の方が健全なのかもしれませんね。
少年は、少女に翻弄されて成長していく。大人になりきれない若者の恋って、そうなんじゃないか。新訳Ζのテーマが「健やかな物語」であることを含めると、考えさせられますね。
結
フォウ、マウアー、サラといった女性に焦点を当ててきました。
ラストでハマーン様も登場し、大いに盛り上がるんですが、ハマーン様については第三部のレビューでふれたいと思います。
他にもヤザンのハンブラビ、大量のガザCなども燃えるポイントでした。三部作の中盤として十分に楽しめる作品だと思います。魅力的な恋人たちに会いたい人は、すぐに観ることをおすすめします。
あと、俺は富野ガンダムの小説はファーストからVまで持ってるんですけど、このレビューを書くに当たってちょくちょく読み返して参考にしました。また小説版ガンダムだけでもレビューしてみたいですね。
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