ゲーム「嬌烙の館」 感想

そんなわけで。13cmのゲーム「嬌烙の館」をプレイした。
プレイ時間は7時間程度。
クリックが楽しいゲームだった。身体的な遊びの感覚に絞って言えば、これが元長柾木参加のゲームで一番面白かった。
普通、謎解き要素を含んだゲームにおいて、総当りという手段は下の下とされている(ように見える)。例えば、自転車創業の「あの素晴らしい  をもう一度」では、キーワード総当たり入力による攻略は面白さをスポイルしてしまうため避けることが推奨されている。
ところが本作は、新規イベントが起きるまで画面中(館内)の部屋をクリックしまくるようなプレイングが勧められているようだった。
作中のテキストでは、そうやって館内を彷徨っていろんな部屋に何度も立ち入る主人公の行動が揶揄されており、この作りは意図的であったことが窺える。

「君の言うことはもっともだけど、僕の本分はこの『館』をうろつき回ることだからな。それが僕に割り振られた役割みたいなんだ」
(3rd chapter : Carnival of a revelation)

とにかく部屋をクリックして女の子に会いに行き、既読テキストならがっかりしてスキップし、未読テキストなら食い入るように読んでいくという流れができあがり、それがたいそう気持ちよかった。
攻略自体は各部屋をうろつきまわっていけば普通にできた。暗号も一応全部自力で解けた。数回誤答すると自動で正答が入力される仕様だから解く必要ないといえばない。*1
「哀しむべきへぼルーム」でピーナッツバターをいろんな食材に塗ることを考えるテキストもクリック連打する楽しさがあった。
特にHシーン前後のテキストに印象深いものが多い。「忸怩たるループ」とかね。「やってられるか!!」で笑ってしまった。あとどこか忘れたけどポップコーンの話もよかった。
ストーリーの落とし所もいいし、満足している。ところで、アヤさんの部屋にあった『原形質の何か』とはなんだったのか。
BGMモードの画面、一つ一つの曲にジャケ写っぽいものがデザインされてて素敵だ。好きな曲はタイトル画面で流れる「SOMBER DEVICE」。

2014-06-15:追記

13cm OnLine 〜 『嬌烙の館』攻略情報
公式の攻略ガイド。

*1:つまりキーワード入力系の謎は「あのすば」と同じく総当たりは非推奨と言えるかもしれない。