面白い作品の探し方

 ひとしきりあって。
 http://d.hatena.ne.jp/sangencyaya/20071024/1193156271
 上のエントリのチェック男子の項が気になった。

 元々は以下↓の記事にチェック男子が取り上げられていた。
 http://business.nikkeibp.co.jp/article/skillup/20070222/119584/

友人とつながり合い(mixi)、さまざまな意見を書き込み(2ちゃんねる)、多くのユーザーに見られているサイトを検索し(Googleソーシャルブックマーク)、ユーザーによって作られた百科事典で調べ物をし(Wikipedia)、ユーザーが投稿する動画を見る(YouTube)、ユーザーのお薦めする書籍や音楽を購入し、ダウンロードする(amazoniTunes Store)。

 そこまで列挙するのはこじつけじゃないか、と思いつつ。作品を購入するにあたって、他人の評価に依存していないか、その選び方に特徴があるか、という話。

 http://b.hatena.ne.jp/entry/http://d.hatena.ne.jp/sangencyaya/20071024/1193156271

 id:kkobayashi U35世代の上の方?としては両方の気持ち分かるなあ。作家ベースじゃなくて単体のコンテンツベースなんだろうな。だから前後の経緯とかのつながりを重視しないのでは

 そんなわけでここから本題。カルチャー、サブカルチャーに関わらず、面白い作品に出会ったら、そこから次の作品をどう探すかという方法論が、若い世代には身についていないのかな。いや、みんなそれぞれの方法で模索しているんだろうけどさ。考えられる方法をちょっとリスト化してみようか。

  • 同作者の作品をあたる

 書籍の筆者、アニメの監督、音楽でいうと演奏者になるかな。作品の横に名前が書いてある人。なんといっても作者は作品について一番主だった働きをするんだから、同作者の作品ならある程度面白さが保証されるはず、という考え。

  • 同スタッフの作品をあたる

 書籍の編集者、映画の脚本や演出、音楽の作詞作曲者など。作者ほどは表に出ないけど、少し詳しい人なら優秀なスタッフの名前は覚えていて、作品を事前に判断する際の基準とすることもあるよね。

  • 同組織の作品をあたる

 プロダクション、所属事務所、制作会社やスタジオなど。企画会社によって作品のおおまかな方向性が決まったり、制作会社によって作品の質が上がったり。京アニだから良作、タツノコ最強説、みたいな考え。

  • 同時代の作品をあたる

 やはり80年代アニメはいい、といった考え。でもこの方法はさすがにばらつきがあるような…

  • 作者が参考にしたものをあたる

 書籍でいう参考文献。監督が影響を受けた作品、リスペクトするアーティスト、尊敬する漫画家、など。

  • 信頼する人が批評した作品をあたる

 友人の薦めや、批評家が良い評価をした本をあたる。その人と感性が合えばかなりの確率で良作に巡り会える。

 とまあ、普通なら上記のような方法を駆使して網羅的に面白い作品を探すと思う。けれども、若い世代にはそういった網羅的、体系的な作品探しをしていない人もいるように見える。どういうことかな、と考えてみる。

  • 流行っている作品をあたる

 まあ結局、こういう方法を取っているだろうと想像できる。別に流行っている作品をあたること自体が悪いんじゃないよ。ただ、この方法を取る人のうち、何人が意識的にこれを行っているかという話。無意識的に流行っている作品をあたる、これはつまり受動的ってことなんだよね。

 つまり、面白い作品を探すとなった時に、意識して自分が面白いと思う価値観を大事にして探せるかってこと。なんつーか、意識的に作品を網羅して行くのでない限り、自分の中に何も残らないと思うんだよね。僕は本棚に100冊くらい本があるんだけど、全部自分が選んで手に入れた本だし、本棚を見るたびに「これが俺の本棚だ」と満足した気持ちになる。自分の文脈というか、そういうものがあるから、本棚の中でばらばらに見える「知的生産の技術」も「恋愛論」も「絵本アイビーボーイ図鑑」も、どこかでつながっている。そういう作品探しをできないことは、悲しいことだな、と感じるけど、本人が悲しいと思っていなければそれでいいのかも。

 しかし、主体的になることを意識的に否定する向きもあるかもしれない。
 http://sekai-ai.com/blog/200702/entry000531.shtml

 必死になるのがカッコ悪いと思っている

 このへんは今時の若者論にけっこうつながるなー。

 以上のことは、基本的に面白い作品から次の面白い作品を探す方法論の話だった。では、元の作品はどうやって探すかということになるけど、それはもう自分の直感でしかない。タイトル買い、カバー買い、大いに結構。そういうもので新たな作品を知る。それが面白ければ、いっそう良い。主体的に作品を探すことを自分にも言い聞かせて、この記事を終えることにしよう。