ブラインド

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ブラインド降ろした部屋で
同じ映画 繰り返し観て涙するような
変わらない生活さ
くすぶる魂にくべる詩を探して
それだけを頼りに小さく生きている

そんな綺麗な目をして 下を向くのはやめなよ
澄んだ瞳にはいつも美しいものが映らなくっちゃ嘘だ
弱い心のままで強く生きていくこともできるはずさ

四分の一 窓を開いてみたら
風が曲げてしまったブラインド
流れ込む幼い声を聴きながら
そのコントラストをずっと眺めていたかった

陰と影が作り出す
大嫌いな童話とか 振り上げた手の空しさとか
誰かの言葉とか 狂気とか
放棄した対話とか
許したっていい 許さなくたっていいんだ

猫になった魔女とか 虚ろな炎とか
正しいだけの怒りとか 笑顔とか
愛しかった人とか 風の冷たさとか
置いていったっていい 持っていったっていいんだ

ベッドに漏れた光が、いま
起き上がったこの部屋が、ここ
ブラインドは降ろしたままだけど
窓際に置いたサボテンに目をやって
少し開いた
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