読書感想文を書くためのガイドライン

そんなわけで。今手元に新学社文庫の「十五少年漂流記」がある。その巻末に、小寺政太郎という人が「読書のしかた」として子供向けに読書感想文を書くためのガイドラインみたいなものを書いている。興味を持ったので要約・独自解釈してメモしておく。

1 あなたはどう感じたか

  • 読書第一の目的は楽しみ読み
  • 読後感想
    • はらはらしたところ、恐ろしかったところ、感動したところはどこか
  • 情景を思い描く

2 もう少し掘り下げてみよう

  • どう掘り下げるか
  • 作中に出てくる土地の地図を書いたり年表を作ったりといった資料作り
  • 登場人物の個性
  • すじの変化
    • 物語を変化に富ませるために作者がどういう工夫をしているか
    • 起こった出来事の原因と結果
  • クライマックスはどこか
  • 書かれた時代背景にも留意

3 さらに理解鑑賞を深めよう

  • 主題
    • 主題は作中で起こった事実そのもの、とも言える
  • 物語の教訓
    • 作者が明示したもの以外にも教訓が引き出せないか
    • 作者が示した教訓は作品の目的というより、執筆にあたっての心構えと見る
  • 批評

4 さらに読みを広げよう

  • 同作者の作品
  • 同じ属性の作品
  • 同じジャンルの作品
  • 比較検討したり

5 読書感想文

  • 感想文とは別に、他の人に感想を話す
    • どこをはしょって、どこを詳述するか
  • あらすじ
    • 強く心を打たれたところを書きとめておくことが有用
  • 感想・批評など
    • 具体的な指摘・作者への注文

普段からこういったことを心がけて小説やゲームシナリオを読むと、感想も書きやすいのではないだろうか。

余談

前述の「十五少年漂流記」はAmazonにも無いくらい古かったので、読書メーターに登録できなかった。新学社文庫の11番、ヴェルヌ著、石川湧訳のやつね。
読んだのはもうずいぶんと昔なので作品自体の感想は特に書くこともない。ただ、訳者のヴェルヌ評として、彼は科学と文学を一つにする新しい文学の形を示した、というところが参考になった。