夜が歌う

暖かな風が不安の彩度を一度落とす
うめき声や叫び声や笑い声や
少し腕が細くなったんだ
君はその重さも知らぬ

三才の頃に見た宙の幻が
未だに僕を眠らせてくれない
夜が歌う
意味を 意味を 意味を

僕はそうしてベッドに入る
言葉が叫び 指が震えて
魂が鳴き疲れたら
眠りに落ちる
起こしてくれるものは何もない

僕の目の前で
幾人もの少年と少女が作劇する
それを一つ一つ
大切な詩として心に刻む

僕はもう一人で眠らなければならない
夜が歌う
意味を 意味を 意味を
詩になるものを全て詩にして
その詩が優しく迎えてくれるような
心地の良い朝に目覚めたい